「もしもし検定」でスキルアップ!

電話応対に品質が求められる以上、スキルの向上は怠れません。その目的をかなえるうえで有効な資格制度のひとつが、「もしもし検定」す。個々のレベルに応じて研修を受ければ、お客様対応の方法だけでなく、コミュニケーション能力など業務全般に関わる各種スキルが磨かれるでしょう。指導者としての技量も身につけられるなど、さまざまなメリットを期待できます。今回は、この検定の概要や資格獲得までの流れ、講義内容の特徴やメリット、また申し込み時の注意点などについてご説明します。

もしもし検定のトレーニングをする女性

もしもし検定とは?

「もしもし検定」とは、ビジネスシーンにおける電話応対スキルの向上を目的とした資格検定制度です。「電話応対技能検定」とも呼ばれ、2009年に始まりました。民間資格の一種であり、「公益財団法人日本電信電話ユーザー協会」が資格の認定を担当しています。また、各種の講習や試験は、全国各地の協会支部もしくは協会から認可された組織によって実施されています。
最寄りの実施機関や本部事務局に申し込めば受験可能であり、特に資格を持っている必要はありません。検定合格者は、手続きすれば認定証・認定カードを発行してもらえます。

ただし、受験希望者は、基本的に講習を受けなければいけません。受講するクラスごとに必要な科目と授業時間数が決められており、受講後に実施される卒業試験が検定試験を兼ねています。実施日は1週目か2週目の水曜日ですが、一部の例外を除いて試験のみ受けるシステムではないので注意が必要です。

レベル別に資格がある

資格はレベル別に、4級(入門級)・3級(初級)・2級(中級)・1級(上級)と指導者級のクラスが設定されています。授業科目も、各クラスに合わせた「基本」「3級」「2級」「1級」「指導者級」の5種類です。

各クラスの講義内容

「基本」ではビジネスマナー、言葉使いや発声の基本とともに、コミュニケーションについて学びます。「3級」は電話の受け方など電話応対の基本的な方法、「2級」は電話応対業務にともなう各種スキルの基礎編が、授業のおもな内容です。「1級」では、これらの応用編やクレーム対応について扱います。最終的に「指導級」まで進んだ人は、カリキュラム全体の総復習に加えて、指導者としての心構えや指導技術についての全般的な講義を受けます。

受講に関する例外措置

なお、最初から順番に受講するコースが一般的ですが、4級だけは研修を受けなくても筆記試験に挑戦できます。業務経験者にも例外措置が適用され、十分にスキルがあると認められれば4級・3級は免除されます。ただし、2級から開始しても「基本」は必須科目です。

特徴とメリット

もしもし検定の講義内容は基本から応用、そして指導者レベルへと段階的に進みます。受講者はしっかり基礎知識を身につけたうえで徐々にステップアップしていくので、各種のスキルを計画的に習得できるでしょう。

もしもし検定の特徴

コミュニケーション能力を重視している点が、大きな特徴のひとつです。この検定では電話対応のエキスパート育成を目指しており、そのためには誰とでも円滑に気持ちを通じ合わせ、きちんと意見を伝えるスキルが欠かせないと考えています。この方針は授業にも反映され、コミュニケーションスキルやビジネスマナーなど、多くの仕事場で求められる能力の育成がカリキュラムの約2/3を占めています。

受講者および会社にとってのメリット

講義を通じて個々のスキルが向上すれば、会社全体のレベルアップにつながるでしょう。電話対応においてお客様に喜ばれるだけでなく、それが励みとなってモチベーションの維持・向上をもたらします。課題解決や業務改善にも生かされ、より良い顧客対応の実現も見込めます。

もしもし検定の指導者

スーパーバイザーを目指す人は取得がすすめられる

もしもし検定には「指導者級」もあるので、スーパーバイザーを目指している人におすすめの資格といえます。

「指導者級」の授業内容とメリット

「指導者級」の養成講座は、「基本」~「1級」までの内容を扱う授業が45時間以上、指導スキルに関わる授業が25時間以上です。そのうち指導スキルに関わる授業では、リーダーとしての心構えや具体的な指導方法以外にも、指導者に求められる言葉使いやビジネスマナーについて学べます。受講者は、指導方法を含めた電話応対の各種スキルとともに、ビジネス関連の高度な知識も獲得できるでしょう。資格を取得すると、3級~1級の受講者の指導や検定試験における試験官も務められます。

「指導者級」申し込み時の注意点

申し込みの受付窓口は、本部検定事務局に限られています。また現在は、応募条件として5年以上の指導経験が必要です(あくまで、資格ではなく経験です)。1級合格者には指導者養成の集中講座が用意されていますが、全日程への参加も求められています。手続きに不備があると余計な時間や手間がかかりますので、申し込む際には、あらかじめ詳細について確認しておくのがベストです。