法律の専門家といえば、まずイメージされるのは弁護士ではないでしょうか。日本における弁護士はあらゆる法律トラブル、訴訟等に対して市民を守る存在として認知されており、専門的な知識を必要とする法律事務を行う資格の中では代表的な国家資格のひとつです。また、刑事訴訟に関しては、被告人の弁護をする立場として、適切な量刑となるように検察官と争う立場となります。

そんな弁護士の資格を取得すると強制的に加入される弁護士会ですが、その本拠地である弁護士会館について今回はご紹介したいと思います。

弁護士の仕事

弁護士会とは?

弁護士資格を持つ方が強制的に加入させられるのが弁護士会です。弁護士会は弁護士法第31条第2項で定義される強制加入団体の名称で、弁護士資格の有資格者の監督、指導、連絡を行う目的で設立される団体です。

この他の業務としても情報交換や、研修等を行って正しく職務を遂行出来るようなサポートも行っています。また、弁護士の資格を有していても弁護士会に所属指定なければ弁護士業務を行う事は出来ません。

弁護士会は厳密には2種類のものがあり、地方裁判所の管轄区域に対して1つ設立される単位弁護士会と、単位弁護士会を統括する弁護士会の連合団体である日本弁護士連合会(日弁連)に分けられます。つまり、弁護士になり、所轄の弁護士会に加入すると必然的に日弁連に加入したものとして扱われます。

弁護士会館って何?

本題の弁護士会館ですが、弁護士会は地方裁判所の所轄毎に設立されていると紹介しましたが、それぞれの弁護士会には所轄のエリアの弁護士が登録しているものとなります。その弁護士会の機能が集約されている拠点を弁護士会館と呼びます。

国内の単位弁護士会は52団体ありますので、弁護士会館もそれと同じ数52箇所日本国内に存在します。弁護士会館には、各弁護士会の役員及び、弁護士会運営に従事する事務職員が在中しているほか、法律相談等で所属の弁護士が来ている事もあります。つまり、弁護士会館とは、単位弁護士会の拠点として活用される事務局の様なものです。また、それぞれの弁護士会館には分署が設置されている事が多く、法律相談センターとして所轄のエリア内に点在しています。

弁護士会館の活動内容は?

弁護士会館は弁護士会の運営を行っているだけではなく、基本的な人権の擁護や、社会正義の実現を目的として、所轄のエリアに住む一般の方の法律的なサポートを行っています。

具体的な内容としては、総合的な法律相談を受け付けている法律相談センターや、民事間紛争の仲裁を目的とする民事紛争処理センター等が一般的には設立されており、無料もしくは数千円程度の料金を支払うことにより誰でも利用することができます。

総合的な法律相談では、クレジットカードやサラ金等の借金問題や、離婚問題、企業法律に関する悩み等を相談することができ、民事紛争処理センターでは、裁判外での解決を目的として民事間の問題に対してアドバイスを受けることができます。その他、弁護士会によっては中小企業向けの法律相談窓口が設置されていたり、適切な弁護士を紹介してくれる弁護士紹介センター、空き家、相続等特定の問題に特化した窓口を設置した弁護士会もあります。

弁護士会館自体は弁護士会の本部機能を有する建物に過ぎませんが、こちらで、様々な弁護士の方に法律の相談をすることができたり、弁護士を紹介してもらえたり、難しい法律に関してて手助けをしてくれる頼れる存在だと言えます。もし、法律関係の悩みをお持ちの方はお住まいのエリアの所轄の弁護士会に問い合わせをして見てはいかがでしょうか?